要望された室を全室南面に配置し、将来の介護(車椅子の使用)を想定して1階廊下巾を120cmにし
て、親夫婦寝室・親夫婦客室の近くにWC・浴室を配置し動線が短くなるようにした。また1階廊下の
外部側の壁一面には、施主奥様の要望であるボリュームある収納スペースを設けた。
本来の木造住宅の姿を基本とし、内部はあえて柱を現す真壁仕上げとして、居間の上部は吹抜にし
て杉の梁を現し、各室の腰壁に杉板を張り 地場産の木材をふんだんに使用して、木のぬくもりを感
じるように、また、壁・天井は珪藻土系仕上げ材、塗料は自然素材の物を使用して体に優しい住宅を
提案した。
メインの暖房は、施主の要望と設計者の考えが合致した、自然熱源でやわらかい暖かさを得られる
薪ストーブを採用した。断熱工法は、高気密・高断熱仕様ではなく、壁・天井は、一般的なグラスウ
ール断熱材を使用し、また床にはウレタン系の断熱材を使用し、取り付ける際に工夫を施す事によっ
て、ローコストで断熱性能を向上させる工法の提案をした。
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